【中国語話せません】金欠大学生の中国鉄道横断記録 #4|敦煌・莫高窟と鳴沙山

蘭州で牛肉麺を食べた僕らは、そのまま敦煌に行くのではなく、あえて1泊しました。理由は単純、洗濯をしたかったからです。長期の鉄道旅では洗濯のタイミングをどこで取るかがかなり重要。荷物を増やさないために服を少なく抑えているので、数日おきにリセットしないと清潔を保てない。蘭州で泊まった宿はランドリーが使えたので、夜にまとめて洗い、朝には乾かして荷物を整理。Tシャツと靴下を新しくしただけで気持ちが一気に軽くなり、「またしばらく走り抜けられる」と思えました。バックパッカーにとって洗濯は旅の隠れたハイライトかもしれません。

蘭州→敦煌:硬臥(下段)

準備を整えて、いよいよ敦煌行きの夜行列車へ。今回も硬臥ですが、ベッドは一番下の下段でした。

これは予想以上に快適。まず、ベッド下に荷物を置けるので自分のスペースを広く使える。登り降りのストレスがなく、すぐ横になれるのは大きなメリットです。掛け布団もあり、シーツは清潔。夜10時に照明が落ちると、車内は自然と静まり返り、思った以上にぐっすり眠れました。

ただし、下段ならではの「文化ギャップ」もあります。上段の人が降りてくるときに足をかけてくる、隣の人が気軽に腰をかけてくる。日本だったら「非常識だな」と思う行為でも、中国では普通。ここで大事なのは受け止め方です。

日本に来た外国人に日本のマナーを求めるのと同じで、自分が海外に行ったなら現地の普通に合わせるべき。感情として「嫌だな」と思うのは自然ですが、それを相手にぶつけて行動に移すのは違う。ごみのポイ捨てのように社会全体に迷惑をかける行為は別として、こうした文化差はスルーが正解です。むしろ自分もやってよい。僕は全く気になりませんでした。こういう寛容さを持てれば、下段はかなり快適。

砂の街・敦煌

朝、目を覚ますと窓の外は砂、石とまばらに生える草が無限に広がっています。なんと教科書でしか聞いたことのないゴビ砂漠を見ることができます。砂景色を期待していてちょっとがっかりしたのはここだけの話。蘭州の山や黄河とはまったく違う光景で、乾いた砂の世界に変わっていました。駅を出た瞬間、都会とはかけ離れた雰囲気に「ここから西域に入るんだ」という実感が込み上げます。駅自体は小さいですが、どこか開けた雰囲気があり、旅人を迎え入れる空気を感じました。

莫高窟

8月17日7時30分敦煌駅到着。さて皆さん敦煌といえば何が思い浮かぶでしょうか?そうです敦煌といえば莫高窟。世界的(?)にも有名な石窟群です。僕がここに来たかった理由はただ一つ。おじいちゃんがずっと行きたがっていた場所でここで撮った写真をおじいちゃんに見せたかったからです。何も知らない人に説明するならワンピースの「女ヶ島」のモデルです。おじいちゃんに写真を見せるため、絶対に入場できるようトリップドットコムで予約を取っていました。

朝からやっているとのことで駅からタクシーを使いそのまま向かいます。莫高窟は中国あるあるの入場口から観光地までシャトルバスで行くスタイルの施設です。そのため、まずは駅近くの入場口へ。自動券売機でバウチャーとチケットを交換します。色々迷いながら建物の中に入ります。すると僕たち日本人が来ることを知っていたのか呼び止められ、シアタールームへと連れていかれました。莫高窟がなぜできたのかを解説している映像とドーム型のシアターで石窟内部に入ったかのような体験ができます。解説はイヤモニ的なものを渡され、日本語の音声を聞くことができるので内容は理解できます。

 20分ほどの映像をみていざ実物を見に行きます。シャトルバスに乗ります。砂漠を眺めること15分到着です。人の流れに沿って向かっていくと長蛇の列が見えてきます。私たちは何も考えずに並びました。

鳴沙山・月牙泉【★5/5】

午後は鳴沙山と月牙泉へ。砂漠に囲まれた中に突如現れるエメラルドグリーンの池。まるでCGみたいな景色が実際に存在するんだから感動します。

裸足で砂丘を登ると、一歩進むごとに砂に足を取られて、体力をどんどん削られる。「帰りたい」と思った瞬間もありましたが、登り切って稜線に立ったとき、すべてが報われました。目の前に広がる砂の海とオアシス。夕日に照らされた景色は一生忘れないレベル。ここは迷わず★5。

敦煌の食事:ラムスープ【★4.5/5】

夜は敦煌の食堂でラムスープを注文。これが予想以上にうまかった。

羊の匂いは少しあるけど、スープ自体はあっさりしていて飲みやすい。肉は柔らかく、パンを浸して食べると最高。北京や蘭州で食べた料理よりも自分の好みに合っていました。値段も手頃で、砂漠の街でこの味に出会えたのは大きな驚き。★4.5。

まとめ

  • 蘭州→敦煌の硬臥(下段)【★4.5/5】:広くて快適。文化差はスルーするのがコツ。
  • 莫高窟【★4.5/5】:迫力の壁画と仏像に圧倒される。「わからなくてもすごい」体験。
  • 鳴沙山・月牙泉【★5/5】:砂漠とオアシスの景色は唯一無二。体力を削ってでも登る価値あり。
  • ラムスープ【★4.5/5】:あっさりスープと柔らかい羊肉。砂漠飯として想像以上の旨さ。

敦煌は「歴史」「自然」「食」を一度に味わえる街でした。莫高窟で古代の迫力を感じ、鳴沙山で砂漠を体感し、ラムスープで胃袋まで満たす。蘭州での洗濯を経て身軽になり、砂の街で全身を揺さぶられる。ここは旅のハイライトの一つになりました。 次回はトルファンへ。さらに西域、ウイグル自治区へ踏み込んでいきます。

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